中学受験を考え始めると、塾代や入学金だけでなく、その先の私立中学・私立高校・私立大学までの教育費が気になってくる。特に5歳差きょうだいがいる家庭では、教育費のピークがどう重なるのかを早めに把握しておきたい。この記事では、東京都の助成制度も踏まえながら、教育費の全体像を整理する。

この記事でわかること

  • 中学受験にかかるおおよその費用感
  • 私立中学・私立高校・私立大学の学費の目安
  • 東京都の助成でどの程度負担が軽くなるか
  • 5歳差きょうだいの教育費総額のイメージ
  • 教育費を家計の中でどう考えるか

上の娘が4月から小学6年生になる。

いよいよ中学受験が「今まさに向き合うこと」になってきた。

ここまで来ると、志望校や勉強法だけではなく、どうしても気になってくるのが費用の話だ

現在かかっている塾代をはじめ、私立中学に進学したら、その先の高校、大学まで家計はどうなっていくのか。5歳差のきょうだいがいると、上の子の進学が進んだころに下の子の教育費も本格化してくるので、余計に気になる。

今回は、一度立ち止まって、中学受験にかかる費用と、その先の私立中学・私立高校・私立大学までの費用感を整理してみたい。

なお、中学受験にどう向き合うか、親としてどう伴走するかについては別の記事で詳しく書いているので、ここでは費用と家計の見通しに絞ってまとめる。

中学受験にかかる費用感

まずは、中学受験そのものにかかるお金だ。

一般的なレンジ感として、我が家では次のくらいを見ている。

小学5年生は、塾代が月3万円前後。

これに加えて、春期・夏期・冬期の講習費がそれぞれ10万〜30万円ほどかかる。

小学6年生になると、塾代は月4万円前後に上がり、講習費も春・夏・冬でそれぞれ15万〜40万円ほど見ておいたほうが安心だ。

かなりざっくりまとめると、

  • 小学5年生:年間66万〜126万円程度
  • 小学6年生:年間93万〜168万円程度

というイメージになる。

2年間合計では、160万円前後から、場合によっては300万円近くまで見えてくる。

もちろん、塾や通塾日数、個別指導の有無、模試の回数、志望校対策の深さでかなり変わる。

ただ少なくとも言えるのは、中学受験は受験前からすでにしっかりお金がかかるということだ。

そして当然ながら、塾代そのものに東京都の支援はない

ここは完全に自腹で、家計からそのまま出ていく。

私立中学に進学した場合の費用感

中学受験の先にあるのが、私立中学の学費だ。

東京都が公表している直近の平均では、都内私立中学の初年度納付金の平均は100万9,362円となっている。内訳は、授業料が50万3,774円、入学金が26万3,232円、施設費が3万3,685円、その他納付金が20万8,672円だ。  

ここで東京都在住の家庭に効いてくるのが、私立中学校等授業料軽減助成金だ。

令和7年度は、所得制限なしで年額10万円が助成される。生徒と保護者が都内に住所を有していれば、都内校だけでなく都外の私立中学校等でも対象になり得る。  

この制度を平均値に当てはめると、私立中学の実質負担の目安はかなり見えやすくなる。

中1は約90.9万円、中2・中3はそれぞれ約61.2万円。3年間合計では、約213.4万円がひとつの目安になる。

もちろん、ここに通学費、制服代、教材費、学校指定品、部活費などは別で乗ってくる

それでも、東京都の年10万円助成があるかないかで、見え方はかなり違う。

私立高校に進学した場合の費用感

次に私立高校だ。

東京都の直近公表平均では、都内私立高校(全日制)の初年度納付金平均は97万1,469円。内訳は、授業料48万9,343円、入学金25万4,131円、施設費3万4,956円、その他納付金19万2,598円となっている。  

私立高校は、東京都の支援がかなり大きい。

令和7年度の私立高等学校等授業料軽減助成金は、国の就学支援金とあわせて、全日制・定時制で最大49万円まで助成される。制度上は「都内私立高校の平均授業料まで」助成する建て付けになっており、保護者と生徒が都内在住であることが前提だ。  

つまり、平均的な学校で見れば、授業料部分はかなり軽くなる

平均値ベースで計算すると、高1の実質負担は約48.2万円、高2・高3はそれぞれ約19.3万円。3年間合計では、約86.7万円が目安になる。

私立中学と比べても、私立高校は東京都の支援がかなり厚い。

私立に進むなら、高校段階は「思ったより耐えられる」と感じる家庭も多いと思う。

私立大学に進学した場合の費用感

一方で、いちばん重いのはやはり大学だ

文部科学省の令和7年度調査では、私立大学の初年度学生納付金の平均は150万7,647円。内訳は、授業料96万8,069円、入学料24万365円、施設設備費17万2,550円、実験実習料3万290円、その他9万6,374円となっている。入学料を除いた2年目以降でも、平均で年126万7,282円程度になる。  

令和7年度からは、大学の無償化が拡充され、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯であれば、所得制限なしで私立大学の授業料は年70万円、入学金は26万円まで減免される。  

ただ、今回のように5歳差の2人きょうだいを前提にすると、通常はこの多子世帯向け無償化の対象にはならない。

つまり、2人きょうだいの家計では、大学費用は基本的に通常負担として考えておくほうが現実的だ。

ここが、中学・高校との大きな違いだと思う。

東京都の助成が効きやすい中高に対して、大学は一気に家計の地力が問われる。

中1から大4までの学費シミュレーション

ここまでの話を、わかりやすく1人あたりの年次表にするとこうなる。

前提は、東京都在住、私立中学→私立高校→私立大学(学部)進学、都の中学助成・高校助成を反映、大学は2人きょうだい想定で大きな一律助成なし、という一般化したモデルだ。

1人あたりの年次シミュレーション(中1〜大4)

年次区分学費助成金実質負担
1年目私立中1100.9万円10.0万円90.9万円
2年目私立中271.2万円10.0万円61.2万円
3年目私立中371.2万円10.0万円61.2万円
4年目私立高197.1万円48.9万円48.2万円
5年目私立高268.2万円48.9万円19.3万円
6年目私立高368.2万円48.9万円19.3万円
7年目私立大1150.8万円0円150.8万円
8年目私立大2126.7万円0円126.7万円
9年目私立大3126.7万円0円126.7万円
10年目私立大4126.7万円0円126.7万円
総額中1〜大4合計1,077.7万円176.7万円901.0万円

※都内私立中学・高校の直近公表平均と、文科省の私立大学平均をもとにした概算。表は中1以降のシミュレーションであり、中学受験の塾代や模試代、通学費、制服代、教材費、部活費などは含めていない。東京都の私立中助成は年10万円、私立高は国の就学支援金等と合わせて平均授業料相当まで、大学は今回の前提では大きな一律助成なしとしている。  

このシミュレーションでは、中1から大4までの総額は約1,077.7万円、助成金は約176.7万円、実質負担額は約901.0万円となった。中学・高校では東京都の支援が一定程度効く一方で、やはり負担の中心は大学4年間にあることがわかる。

中学受験の時期はどうしても目の前の塾代や入学金に意識が向きやすい。けれど、長い目で見ると、家計へのインパクトがいちばん大きいのは大学4年間だと思う。

5歳差きょうだい2人分の総額イメージ

※下の子も同様に私立中学3年間・私立高校3年間・私立大学4年間へ進学する前提の概算

対象学費総額助成金総額実質負担総額
上の子 1人分1,077.7万円176.7万円901.0万円
下の子 1人分1,077.7万円176.7万円901.0万円
2人合計2,155.4万円353.4万円1,802.0万円

5歳差きょうだいの家計で意識したいこと

5歳差きょうだいだと、同時に2人が大学に通うような重なり方はしにくい。

その意味では、年子や2歳差よりもピークが分散しやすい。

ただし、楽になるわけではない。

上の子が大学に入るころ、下の子は中学か高校に入っていく。つまり、上の子の教育費が最も重い時期に、下の子の教育費も本格化してくる

感覚としては、「一気に爆発する」というより、教育費の高い状態が長く続くに近い。

この長さに耐えられるかどうかが、家計管理のポイントになる。

学費そのものの助成ではないが、東京都には018サポートもあり、都内在住の0歳から18歳までの子ども1人あたり月額5,000円、年間最大6万円が支給される。教育費専用の制度ではないものの、子育て世帯の固定費を少し和らげるクッションとしては無視できない。  

まとめ

上の娘が小学6年生になり、中学受験が本格化してきた今、改めて感じるのは、教育費は「その場その場」で見るより、10年単位で流れを見たほうがいいということだ。

中学受験は、受験前からすでに大きな出費が始まる。

私立中学に進めば、東京都の助成で少し軽くなるとはいえ、それなりにお金はかかる。

私立高校は東京都の支援がかなり厚い。

そして大学で、再び家計の重さが一段上がる。

こうして整理してみると、漠然と不安になるよりも、むしろ少し落ち着く

どこに山があるのか。

どの段階で助成が効くのか。

どこから先は自力で備える必要があるのか。

それが見えるだけでも、家計との向き合い方はだいぶ変わる。

子どもの進路を家計だけで決めたくはない。

でも、家計を整えることは、子どもの選択肢を守ることでもある。

だからこそ、これからも感情論だけではなく、こうして一度立ち止まって、現実的に数字を見ていきたいと思う。

制度は毎年度見直される可能性があるので、実際に申請や進学を考える時点では、東京都私学財団や文部科学省の最新情報を必ず確認したい。

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