はじめに
2025年4月、米国株式市場は大きな下落に見舞われています。年初の2025年1月2日、S&P500指数は6,040.53ポイント、NASDAQ総合指数は約14,500ポイントで取引を開始しました。しかし、4月8日にはS&P500が4,982.77ポイント、NASDAQが15,267.91ポイントまで下落しました。これにより、S&P500は年初来で約17.5%の下落、NASDAQは約5.3%の上昇となっています。さらに、急速な円高の進行も重なり、日本円ベースでの資産評価額は大幅に減少しています。2025年の年初から好調だった相場は、一転して投資家に不安を与える局面へと突入しています。今回の記事では、この暴落の背景と、私自身がどのような投資スタンスを貫いているか、そして不安を感じている投資家の方々へのメッセージをお伝えします。
投資における本質的な心得:『敗者のゲーム』より
「プロが売買のタイミングを計ることで市場に勝とうとしても、それは偶然の結果に過ぎず、むしろインデックスに投資して市場全体の成長を享受するほうが賢明だ」――チャールズ・エリスの著書『敗者のゲーム』にはこのような一節があります。
市場を出し抜こうとする試みは多くの場合うまくいかず、頻繁な売買やタイミング投資はパフォーマンスを下げる原因になりかねません。エリスは、「投資で成功する秘訣は、賢く立ち回ることではなく、愚かな行動を避けること」だとも述べています。こうした哲学は、現代の長期インデックス投資家にとって強力な指針となるものです。
今回のような急落局面では、相場から一時的に退場したくなる気持ちも出てくるかもしれませんが、長期で見れば「市場にとどまり続けること」が最大の勝因となります。暴落時こそ、自分の投資哲学を再確認する好機だといえるでしょう。
暴落の背景:トランプ関税と市場の過敏反応
今回の株安のきっかけは、トランプ政権が打ち出した自動車輸入への25%追加関税です。この政策が発表された直後から、市場は急速にリスクオフのムードに包まれました。自動車業界は米国の製造業の中でも影響力が大きく、部品サプライヤーから消費者まで幅広く影響が及ぶことから、企業業績の悪化懸念が一気に広がりました。
また、この関税措置が他国の報復措置を誘発し、グローバルな貿易摩擦が再燃するのではないかという懸念も強まっています。これにより、企業の設備投資や消費者心理にも影を落とし、米国経済がリセッション入りするのではという見方が市場を支配しつつあります。実際、経済指標にも鈍化の兆しが見え始めており、株式市場はその先を織り込みにかかっています。
私の投資方針:”JUST KEEP BUYING” の実践
そんな中でも、私は自分の投資方針を変えるつもりはありません。私が実践しているのは、ニック・マジューリオ氏の著書『JUST KEEP BUYING』に基づいた長期・分散・積立のアプローチです。
この本では、投資における最大のリスクは”市場の暴落”ではなく、”投資をやめてしまうこと”であると説かれています。著者は、投資のタイミングを完璧に予測することは誰にもできないことをデータと実証で示し、それよりも「一定のルールで淡々と買い続けること」が最終的に最も高いリターンをもたらすと主張しています。
私もこの考えに深く共感しており、市場が上がっていても下がっていても、月に一度、決められた金額をインデックスファンドに積み立て続けています。暴落時には心理的に買いにくく感じることもありますが、そんなときこそ、相対的に安く買えるチャンスと捉えています。”JUST KEEP BUYING”――この言葉は、私の投資人生においての軸になっています。
暴落に不安を感じている方へ:過去の歴史が語ること
今、株価の下落を目の当たりにして、不安や焦りを感じている方も多いかもしれません。ポートフォリオが赤く染まり、評価額が減っていく様子を見るのは、誰にとっても辛いものです。ですが、ここで改めて思い出していただきたいのは、「株式市場は長期的に右肩上がりで成長してきた」という事実です。
例えば、リーマンショックやコロナショックのような大きな暴落の後でも、市場は数年以内に回復し、それ以前の水準を超えていきました。短期的には暴落や停滞は必ず起こりますが、それらを乗り越えることでこそ、資産の成長は実現します。
私は、こうした相場の下落を「株式市場という舞台への入場料」だと考えています。ボラティリティは投資に付き物ですし、むしろこの不安定さがあるからこそ、長期投資に報われる価値が生まれるのです。
おわりに:自分の戦略を信じて
今こそ、自分の投資戦略を見直し、信じるタイミングです。短期的な値動きに振り回されず、目先の不安よりも未来の可能性に目を向けてください。
私たちができる最良の行動は、「市場がどんな状況でも、資産を積み上げ続けること」です。”JUST KEEP BUYING”――それは、暴落の中でも最も合理的で、最も精神的に健全な投資行動なのです。
僕の投資に関する考えはこちらで紹介しています!
以下に今回記載した書籍のリンクを貼っておきますので是非ご一読ください!
