はじめに
当ブログでは、僕自身が取り組んでいる資産形成の実践記録を、毎月更新という形でお届けしています。節約、家計管理、投資などを通じてコツコツと築いてきた資産形成の道のりを、同じ志を持つ方々の参考になればという想いで綴っています。
中でも、投資信託の買付履歴は、僕自身の振り返りに加えて、マーケットの動向とあわせて考える材料として有効です。2024年3月に記録を始めて以来、継続して月次の内容を公開しており、今回で14回目の報告となりました。
なお、投資方針については「米国株式に集中投資する」というシンプルな戦略に基づき、特にS&P500に連動するインデックスファンドを中心に積立を行っています。その理由は、米国市場の長期的な経済成長や企業の競争力の高さ、世界的な影響力を総合的に評価したものです。
2025年5月の米国市場概況
2025年5月の米国株式市場tとして、S&P 500指数は+6.15%上昇し、年初来で+0.5%となりました。NASDAQは+9.6%の急伸とハイテク株を中心に反発が強まり、ダウも+3.9%上昇しました。3月の大幅下落後、4月に底入れし、5月には「年初に戻す」水準まで回復しています。
この上昇の背景には、中国との関税一時猶予や米中貿易緊張の緩和、データセンターやAI分野での好決算など、複数のポジティブ要素が重なったことがあります。
4月にはトランプ関税の影響で円建てて20%以上落ち込むこともありましたが、米国市場は力強く盛り返してきていますね。
主な経済指標(2025年4月末時点)
- S&P500終値:5,911.69pt(前月比 -0.76%)
- 10年米国債利回り:約4.48%
- WTI原油価格:60.8ドル
- GDP成長率(第1四半期速報値):-2.8%
- 失業率:4.2%
- CPI(4月):前年比 +2.4%
- PPI(4月):前年比 +2.6%
- 小売売上高(4月):前月比+0.1%
2025年5月の米国市場は、インフレ指標や小売統計、原油価格の動向を通じて、経済の持続性や金融政策への関心が一層高まる月となりました。
5月の小売売上高は前月比+0.1%と、4月の+1.7%から大きく鈍化しました。自動車や家具といった耐久財の販売が低調だった一方、オンラインショッピングや飲食店分野は底堅さを見せました。
この数値は、個人消費の先行きに慎重な見方が広がる要因となり、経済全体の成長ペースにブレーキがかかる可能性を示唆しています。
米国経済は引き続き堅調さを維持していますが、金利・財政・エネルギー価格のバランスに注意が必要な局面となっています。

相場の不安定期における積立投資の意義
市場が不安定な時期にこそ、積立投資家の本領が発揮されます。価格が下落する場面では同じ金額で多くの口数を買い付けることができ、長期的には平均取得単価を下げる効果があります。
「あなたが市場において成功したいなら、タイミングを見計らうのではなく、買い続けることだ。いつがベストなタイミングだったのかは、後になってしか分からない。」
— JUST KEEP BUYING(ニック・マジューリ)
「投資家が市場に勝とうとするのではなく、市場に長く居続けることが最大の成果を生む。」
— 敗者のゲーム(チャールズ・エリス)
積立投資は、自動化された意思決定の仕組みでもあります。感情に左右されず、マーケットの騒音に流されない「仕組み化」が、長期投資の最大の武器になると改めて感じています。
僕の【2025年5月】投資信託買付実績
今月も新NISAのつみたて投資枠にて定例の買い付けを実行しました。以下が2025年5月の買付実績です。
- 楽天・プラスS&P500インデックス・ファンド:100,000円
- 合計:100,000円
市場の動向にかかわらず「毎月積み立てる」ことを習慣としており、今月も特段の調整や判断は行わず、予定通りの買付を実施しています。

eMAXIS Slimから楽天・S&P500への切り替え理由
2025年から、長年積立を続けていた「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」から「楽天・プラスS&P500インデックス・ファンド」へと乗り換えました。
切り替え理由は主に以下の2点です:
- 信託報酬の優位性:楽天・プラスS&P500は信託報酬が業界最安水準で、コスト面の差は長期的に見て無視できません。
- 楽天ポイントの還元:楽天証券での積立によって、保有残高に応じたポイントが還元される仕組みがあり、実質利回りの向上が期待できます。
運用方針や連動指数は同一ですが、コストとサービスの両面から見て、乗り換えに合理性があると判断しました。
おわりに
2025年5月の米国株式市場は、4月に発動されたトランプ前大統領による追加関税措置によるショックから徐々に立ち直りを見せる展開となりました。
4月初旬にはS&P500が一時4,900pt台まで急落し、市場参加者の間では「リスクオフ」のムードが強まりましたが、企業決算が予想を上回る内容だったことや、関税の影響が一部業種に限定的であったとの見方が広がり、投資家心理は次第に改善しました。
特に、ハイテク株を中心としたナスダック市場や、ディフェンシブ銘柄の反発が顕著となり、S&P500は5月末時点で再び6,000pt付近まで回復。市場は「調整は一巡した」との安心感と、「押し目買い」の動きによって支えられた形です。
とはいえ、依然として通商政策の不透明感や、利下げをめぐる金融政策の行方には警戒感が残っており、投資家のスタンスには慎重さも見られます。
全体として、5月は4月の株安の底を打ち、回復基調に転じた月であり、相場は次の方向感を模索する転換点に差しかかったといえるでしょう。
市場の動向に一喜一憂せずに、淡々と会を継続していきたいと思います。