はじめに
当ブログでは、僕自身が取り組んでいる資産形成の実践記録を、毎月更新という形でお届けしています。節約、家計管理、投資などを通じてコツコツと築いてきた資産形成の道のりを、同じ志を持つ方々の参考になればという想いで綴っています。
中でも、投資信託の買付履歴は、僕自身の振り返りに加えて、マーケットの動向とあわせて考える材料として有効です。2024年3月に記録を始めて以来、継続して月次の内容を公開しており、今回で15回目の報告となりました。
なお、投資方針については「米国株式に集中投資する」というシンプルな戦略に基づき、特にS&P500に連動するインデックスファンドを中心に積立を行っています。その理由は、米国市場の長期的な経済成長や企業の競争力の高さ、世界的な影響力を総合的に評価したものです。
2025年6月の米国市場概況
6月は、S&P500が約10.6%上昇、NASDAQは17.8%の急騰と、第一四半期の急落を経て、強力な反発を見せました 。6月末にはS&P500が6,204.95ポイントで史上最高値に達し、NASDAQも記録的水準を更新 ()。
この反発の背景には、トランプ関税の一時先送り、中国・カナダとの交渉進展、AI期待、そしてイスラエル・イラン紛争緩和による地政学リスクの和らぎなど、複数のポジティブ材料が重なったことが挙げられます。
4月にはトランプ関税の影響で円建てて20%以上落ち込むこともありましたが、米国市場は力強く盛り返しついには最高値を更新しましたね。
主な経済指標(2025年6月末時点)
- S&P500終値:6,204.95pt
- 10年米国債利回り:約4.28%
- WTI原油価格:65ドル
- GDP成長率(第1四半期速報値):-0.5%(改定値)
- 失業率:4.2%
- CPI(6月):前年比 +2.4%
- PPI(4月):前年比 +2.7%
- 小売売上高(4月):前月比+0.1%
💰S&P500は史上最高値、NASDAQは2桁上昇
6月の米国株式市場は、強烈な巻き返しの月となりました。
- S&P500は月間で10.6%上昇し、月末には6,204.95ポイントと過去最高値を更新。
- NASDAQは同期間で17.8%の急騰。AI銘柄やテック株の爆発的な買い戻しが主導しました。
これは、5月下旬にトランプ関税の実施延期が報じられたことを契機に、投資家心理が一気にリスクオンに傾いた結果といえるでしょう。また、企業業績が全体的に底堅く、悪材料出尽くしのような雰囲気も株高を後押ししました。
💹 債券・金利市場:インフレ沈静化で利下げ観測再燃
債券市場でも落ち着きが見られました。
- 10年米国債利回りは4.28%と、前月の4.38%からわずかに低下。
- インフレが落ち着きを見せており、FRBによる年内利下げへの期待が再び高まっています。
市場は「ソフトランディング」への道筋を見出しており、金利の落ち着きが株価回復の下支えとなりました。
🛢️ エネルギー市場:原油価格は沈静化へ
春に上昇していた原油価格も一服感が出ました。
- WTI原油価格は月末時点で65ドル弱まで下落し、前月比で約13%の減少。
- イスラエル・イラン間の緊張緩和や、中国の景気刺激策の鈍化などが影響しました。
原油価格の下落はインフレ抑制に貢献し、エネルギーセクター以外の産業株にとっては追い風となりました。
📈 物価・インフレ動向:CPI・PPIともに安定
インフレは落ち着いた動きが続いており、物価指標は市場に安心感を与えています。
- 5月のCPI(消費者物価指数):前年同月比 +2.4%、前月比 +0.1%
- PPI(生産者物価指数):前年同月比 +2.6%、前月比 +0.1%
これにより、FRBは急激な金融引き締めの必要がないとの見方が広がっています。
🛍️ 消費:小売売上は緩やかに拡大
米国の個人消費は依然として堅調さを維持しています。
- 5月の小売売上高は前月比 +0.3%。春に見られた景気不安にもかかわらず、消費者の購買意欲は底堅く、サービス・外食・レジャー関連が牽引しました。
📉 GDP:第1四半期はマイナス成長、ただし第2四半期は回復の兆し
マクロ経済では気になる動きもあります。
- 2025年第1四半期の実質GDPは年率−0.5%(改定値)と、景気後退入り懸念が浮上。
- ただし、第2四半期の成長予測は+2.9%程度と回復の兆しも見られます(アトランタ連銀 GDPNowモデルより)。
一時的な輸入増による成長押し下げと見る向きが強く、構造的なリセッションには至っていないとの声が主流です。
総括:米国市場は再び「強気モード」に
2025年6月の米国市場は、混乱の4月を乗り越えて完全に再起動した月でした。
株価はトランプ関税ショックの底から急反発し、インフレも落ち着きを取り戻しつつあります。投資家心理は改善し、企業業績や経済指標にも底堅さが見られます。
ただし、通商政策・大統領選に向けた政治リスク・FRBの金融政策など、引き続き市場の神経質な動きには注意が必要です。
🧠 最後にひとこと
「市場は常に揺れながらも前へ進む」
急落の後には回復が、悲観の中には希望が潜んでいます。JUST KEEP BUYING の精神で、目先の上下に一喜一憂せず、淡々と投資を続けていきましょう。

相場の不安定期における積立投資の意義
市場が不安定な時期にこそ、積立投資家の本領が発揮されます。価格が下落する場面では同じ金額で多くの口数を買い付けることができ、長期的には平均取得単価を下げる効果があります。
「あなたが市場において成功したいなら、タイミングを見計らうのではなく、買い続けることだ。いつがベストなタイミングだったのかは、後になってしか分からない。」
— JUST KEEP BUYING(ニック・マジューリ)
「投資家が市場に勝とうとするのではなく、市場に長く居続けることが最大の成果を生む。」
— 敗者のゲーム(チャールズ・エリス)
積立投資は、自動化された意思決定の仕組みでもあります。感情に左右されず、マーケットの騒音に流されない「仕組み化」が、長期投資の最大の武器になると改めて感じています。
僕の【2025年5月】投資信託買付実績
今月も新NISAのつみたて投資枠にて定例の買い付けを実行しました。以下が2025年5月の買付実績です。
- 楽天・プラスS&P500インデックス・ファンド:100,000円
- 合計:100,000円
市場の動向にかかわらず「毎月積み立てる」ことを習慣としており、今月も特段の調整や判断は行わず、予定通りの買付を実施しています。

eMAXIS Slimから楽天・S&P500への切り替え理由
2025年から、長年積立を続けていた「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」から「楽天・プラスS&P500インデックス・ファンド」へと乗り換えました。
切り替え理由は主に以下の2点です:
- 信託報酬の優位性:楽天・プラスS&P500は信託報酬が業界最安水準で、コスト面の差は長期的に見て無視できません。
- 楽天ポイントの還元:楽天証券での積立によって、保有残高に応じたポイントが還元される仕組みがあり、実質利回りの向上が期待できます。
運用方針や連動指数は同一ですが、コストとサービスの両面から見て、乗り換えに合理性があると判断しました。
おわりに
2025年6月の米国株式市場は、4月に発動されたトランプ前大統領による追加関税措置によるショックから徐々に立ち直りを見せ最高値を更新するに至る展開となりました。
4月初旬にはS&P500が一時4,900pt台まで急落し、市場参加者の間では「リスクオフ」のムードが強まりましたが、2025年6月、米国市場には明らかに「楽観」の空気が広がりました。
6月末にはS&P500が過去最高値を更新し、NASDAQも2桁の上昇率を記録するなど、投資家心理は一気に「リスクオン」へと切り替わっています。
6月の市場を支えたもう一つの要素は、投資家たちのメンタルの切り替えです。
4月の急落時には「リセッション入りか?」と不安が渦巻いていましたが、5月末からの反転を見て「これは単なる調整だった」との認識が広がりました。
今では、多くの個人投資家・機関投資家が押し目買いの好機と捉え、リスク資産への資金流入を再開しています。
しかし僕自身は、市場の動向に一喜一憂せずに、淡々と積立を継続していきたいと思います。
