節約・投資術

これからのドル円相場の動きはこうなる【為替相場、ドル円が34年ぶりに安値更新】

これからのドル円相場の動きはこうなる

今後の為替相場に関する視点としては、政府・日銀による為替介入となるであろう。鈴木俊一財務相は22日の閣議後記者会見で「為替介入の可能性は最もコメントできないことの一つだ。高い緊張感を持って市場の動向を見ている」と述べるにとどめた。

政府は22年、151円94銭をつけた直後に円買い・ドル売りの為替介入に踏み切っているが、その際の円高への動きも限定的で、強い円安圧力に屈した形となった。

今回の日銀がマイナス金利解除を打ち出したことで、市場では「円買いの材料はほぼ出尽くした」との声もある中で、今後、政府・日銀が介入に踏み切ったとしても、一時的な円高を記録した上でまだ強い円安圧力に圧されることは想像に難くない。

為替相場、ドル円が34年ぶりに安値更新

外国為替市場で円安の動きが加速し、対ドルの円相場は一時、2022年10月につけた1ドル=151円94銭をさらに下回り、1990年7月以来、約34年ぶりの安値を更新した。

日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げを決めた。利上げをすることにより日米の金利差が縮小する期待から円安に歯止めがかかるとの期待もあったが、植田和男総裁は記者会見で「当面、緩和的な金融環境が継続する」と強調。

金融引き締めを警戒していた市場に安心感が広がり、継続的な円売りが進んだ結果となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)の動向

近年類を見ない歴史的な物価上昇(インフレ)を抑制するために米連邦準備制度理事(FRB)が急ピッチで利上げを行った結果、日米の金利差が拡大し、投資家にとっては、金利が高い通貨で運用した方が有利となることから、日本の投資資金が海外へ流れ出る結果となり、これが円安・ドル高の要因になった。

FRBは24年中に利下げに転じるとしているが、インフレ圧力は依然強く、利下げ開始時期がずれ込むとの観測が強まっており、米国市場では2024年6月まで利下げは実施見込みが薄い方向で市場に織り込まれている。

実際に米国の利下げについて、2023年12月13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、3回連続の利上げ見送りが発表され、さらに、2024年中に3回程度の利下げが報道がなされている。

ただし、FOMC参加メンバーの誰かが3回利下げすると発言したという事実はないものの、同日に公開された経済予測概要(Summary of Economic Projections)内の「ドットプロット1」を参考に、利下げ回数を割り出している。

  1. 「ドットプロット」とは、FOMCの各メンバーが将来時点での金利の予測値を点で示したグラフで、これらの点の中央値をFRBの目標金利水準だと捉える伝統があります。今回発表されたドットプロットでは、FOMCに出席した19人のうち2名が2024年も現在と同水準の5.25〜5.50%の金利に留まるとしたものの、その他の17名は程度の差こそあれ現在より低い金利を想定していることが判明した。
    金利が下がるとした17名の内訳は、1名が5.00~5.25%、5名が4.75~5.00%、6名が4.50~4.75%、4名が4.25~4.50%、そして最後の1名が3.75~4.00%を想定しているとのことです。中央値は4.50~4.75%で、現在のあたりよりも0.75%ほど低い値である。通常、政策金利はFOMCの度に0.25%ずつ引き上げ/引き下げされるため、3回相当の利下げ予想となる。 ↩︎

当然ながら、前回の利上げ時のように一気に0.5%または0.75%変動させる可能性も否定はできないが、インフレ率がまだ目標値よりも高いことを考えると急激な利下げを行うとは考えられないため、上記ドットプロットの考え方は、概ね妥当な利下げ回数予測と言える。

なお、過去の利下げ時期については、1989年6月1995年7月1998年9月2001年1月2007年9月2019年7月の直近6回がある。

日米の為替相場の影響について

今後想定されるアメリカの利下げと今後進められて行く日本の利上げと両国の為替相場に関する影響の考察。

アメリカの利下げ:

  • 株価への影響
    • アメリカの利下げは、投資家により金利の高い国の国債を購入したり、金利の高い国へ預金したりする傾向を引き起こすため、多くの米国通貨の資金流出が発生し、その結果、金利が高い国の通貨が強くなるため、アメリカの株価も相対的に下落する可能性が少なからず存する。

日本の利上げ:

  • 株価への影響:
    • 日本の利上げは、投資家により日本の国債を購入したり、日本国内の高利率銀行へ預金を行ったりする傾向を誘発し、その結果、日本円が強くなり、日本の株価も上昇する可能性を有する。一方で前述のとおり円高材料が出きってしまったとみられる情勢で、円高状況に振れない現状を鑑み、根本的な日本円の弱さ並びに、金融政策が評価されていないとみられる。今後の追加の利上げや金融政策の続報が待たれる。

ドル円の今後の動きについて

日銀の政策転換による金利の動きも限定的で、日米の金利差が開いた状況に当面変わりはないと市場ではみられている。

為替相場を眺める男
為替相場を眺める男
   

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