子育て情報

繊細で刺激が苦手な「HSC」の子どもについて

HSCとは

HSC(Highly Sensitive Child)」は、生まれつき敏感で繊細な子どもたちを指します。

彼らは強い光や日光のまぶしさ、冷蔵庫の機械音や時計の音など、小さな刺激にも敏感に反応します。しかし、発達障害や病気ではなく、単に彼らが持つ「気質」なのです。

HSCは感覚過敏の特性を持っており、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)と誤解されることがありますが、それは違います。

発達障害は脳の機能に起因するものであるのに対し、HSCは感受性が高すぎて情報や刺激を処理するのに疲れてしまう気質によるものです。

HSCの特徴

HSCの特徴は「DOES」という4つの要素に表れます

  • D(物事の考え方が深い:Depth of processing): 彼らは物事を深く考え、行動に移すまで時間がかかります。
  • O(刺激に敏感である:Overstimulated): 大勢の人が集まる場所や大きな音に過剰に反応します。友達と過ごす時間は楽しいものの、気疲れしやすくなります。
  • E(共感しやすい:Emotional reactivity and high Empathy): 他人の気持ちに流されやすく、共感能力が高いです。絵本やニュースなどに感情移入しやすく、相手の機嫌や気分の変化に敏感に気づきます。
  • S(感覚が鋭い:Sensitivity to Subtleties): 些細な生活音や感覚に敏感です。冷蔵庫の音や口臭、肌着のタグなどが気になります。

HSCの子どもたちは、他の子と自分との境界線があいまいであり、クラス替えやイベントの変化がストレスとなりやすいです。

大切なのは、彼らの気持ちに寄り添い、適切な対処法をとることです。

HSC(Highly Sensitive Child)は、決して「弱い子ども」ではありません。

反対に「良好なセンサーを持っている」という理解もあります。

HSCの特徴には、以下のような点が挙げられます:

  1. 人混みが苦手: 基本的に、人混みは得意ではありません。たくさんの人がいる学校は緊張を高める場所となります。
  2. 繊細な感受性: HSCの子どもは個別支援学級の対象ではありません。知的能力に問題はなく、多動性もありません。しかし、教室でほかの子どもが先生に怒られている場面に遭遇したとき、その怒った声や教室内の張りつめた空気に対して、まるで自分が怒られているようにダメージを感じてしまうことがあります。大きな音やチクチクした素材の衣類など、刺激に敏感です。
  3. 友達との時間: 友達との時間は楽しいものですが、人の言葉や表情を敏感に察知するため、気疲れする場面も多いでしょう。時には考えを巡らせ過ぎて「いじめられた」と思ってしまうこともあります。
  4. 失敗へのプレッシャー: 算数の小テストに「×」がついたときも、動揺して自信を失ってしまうことがあります。HSCは失敗を必要以上に怖がり、自分の出来・不出来が気になります。

HSCの子どもたちが安心して生活できるためには

HSCの子どもが少しでもラクに過ごせるために、まわりができることは次の通りです。

  1. 安心できる環境: 家庭や学校が安心できる空間であることを意識しましょう。
  2. 刺激のチェック: 刺激が過多でないかを注意深くチェックしましょう。
  3. SOS環境の整備: 子どもが「SOS」を出せるような環境を整えましょう。

HSCの子どもが安心できるために、学校や勉強のメカニズムをきちんと説明して理解させてあげることも大切と言われています。

もちろん試行錯誤は良いことであり、成功しなくても大丈夫だと伝えてあげましょう。

また、HSCの子どもはつねに「ちゃんとやろう」という気持ちを持っています。

そのため「がんばって」といった言葉かけは逆にプレッシャーに感じることがあり、本人の努力やプロセスを見守り、できた・できないにかかわらず頑張った行為自体を尊重するというフィードバックがいいでしょう。

これはアドラー心理学の中では「勇気づけ」と呼ばれる行為で彼らの行なったことを否定せずに全て受け入れる体制を示すことで子どもたちの存在意義を自信に感じてもらうためのものです。

さらに対人関係でも、感じやすく傷つきやすい傾向があり、嫌な気持ちを抱えている様子が見られたら、その悲しみを受け止めてあげることがいいと考えられます。

そして一緒に状況を分析しながら、相手の子どもの気持ちを淡々と「説明」してあげると理解しやすいようです。

また、家では「パーソナルスペース」を用意し、5分でもひとりになる時間を作ってあげると気持ちを落ち着けることができます。

可能な限り、周囲の刺激を遮断するような工夫をしてあげられるとなお良いです。

学年が上がってくると、子ども自身が自分の特徴を理解して、慣れてきたり困らなくなってきたりすることもあります。

子ども不快に感じる刺激やイライラしがちな環境を共有して、親子で対策を話し合っておくのも必要ですね。

まとめ

HSCの子どもたちは、自分で頑張っているけど上手くできないことに強いフラストレーションを感じていると思います。

自分の思い描いた理想的な結果を目指して進むけれど、なかなかスムーズに進んでいかないこと思った通りに仕上がらないことも多々あります。

子どもを持つ親になった今、彼らの言葉や仕草から様々な意図を汲み取りながらも、上の立場から物事を指図するのではなく、しっかりと気持ちに寄り添いながら子どもたちがストレスなく日々生活できるように心がけたいです。

以下にHSCに関して参考となるリンクも共有しておきます。

https://kodomo-manabi-labo.net/hsc-kodomo

また私自身の子育てに関する情報発信も以下リンクからぜひご覧ください。

https://compastyle.com/category/kids/

   

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